インスリンは、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種。すい臓内の丸い島状の細胞の集合した「ランゲルハンス島」に存在するベータ細胞から分泌され、血糖値の上昇を調節する役割を持っています。
●インスリンは医薬界では、20世紀最大の発見。
カナダ・トロント大学のフレデリック・バンティング博士ら、研究スタッフが1921年に発見。インスリンという名前は、「島」という意味のラテン語「insula」にちなんでつけられています。
●インスリンは細胞が糖を利用する際に作用。
血液中のブドウ糖(血糖)を、細胞内にエネルギーとして取り込む際に重要な役割を果たします。余った糖分を脂肪やグリコーゲンに変化させて蓄えたりもします。
●インスリンが欠乏する糖尿病
免疫異常やウイルス感染などで、すい臓のランゲルハンス島ベータ細胞が破壊されると、インスリンが分泌されなくなり、食物を口に入れても体がブドウ糖を利用できず、血液中のブドウ糖濃度が上昇したままになり、いわゆる糖尿病になります。
●その他の病気
肥満や脂肪分の多い食事などが引き金となって、インスリンの働きが弱まり、それをカバーするために余計にインスリンが過剰に分泌される「高インスリン血症」や、ランゲルハンス島に腫瘍が出来て、
インスリンが過剰に分泌されるようになる「インスリノーマ」という病気があります。
いづれも、血糖の処理が進み過ぎて、低血糖の状態に陥ることになります。
「インスリノーマ」は10万人に1人の割合という非常に珍しい病気ですが、治療で改善が望めます。
また、インスリンは血糖を処理するばかりでなく、HDL(善玉)コレステロールを減少させる働きもあるため、高インスリン血症が長く続くと、動脈硬化が進み、高血圧や高脂血症、さらには糖尿病を発症する危険性も高くなります。
インスリンが発見されるまでは、糖尿病は発病すると急速にやせ細り、やがては死に至る病気でした。


