●寿司屋の一番の売り物はマグロです。

扱うマグロの価値で寿司屋のランクが決定するといっても言い過ぎではありません。
これは日本人のマグロ好きとマグロ自体の持っている特性から決定されています。
日本以外では文化として刺身を食べる国はありません。

マグロと他の魚の決定的な違いは一本ごとの個体差が大きく、
品質による価格のブレが大きいことです。

例えば、マグロ1本、50kgで取引されても、頭や尻尾、骨、ヒレ部分を除くと、
食べられる可食部分は半分の25kgしかなく、小売価格も当然、割高になります。
また、魚体が大きいために解体や加工段階で多くの人手が必要になり、
人件費も上乗せされた価格になります。



●マグロの選び方

外見からの選別は難しく、
価値を見極めるプロの仲買人でも切ってみないと本当の品質は分かりません。

マグロは品質に応じて、上、中、下と3ランクに大別されます。
比率は上物が10%、中物が20%、下物が70%ぐらいとなっています。
量販店の店頭で「マグロ解体実演即売」などは下物で間違いありません。



●マグロの種類

マグロはサバ科の巨大魚です。
スーパーなどで、刺身用として消費者の口に入るマグロは、
赤道周辺の、暖かい海で水揚げされた、背ビレや腹ビレの黄色が特徴の、キハダマグロや
缶詰やシーチキンに加工される、ビンナガマグロ(別名・トンボ・ビンヨコ)などがほとんどです。
通常、最高級の本マグロ(クロマグロ)は漁獲量や価格ルートからして店頭には並びません。

南半球で獲れるミナミマグロ(別名・インドマグロ)や、
メバチマグロ(目玉が大きいのが特徴)でも難しいぐらいです。
「近海物本マグロ入荷」などと表示があれば、どこから入荷したのか確認したいほどです。



●パック入りマグロの見分け方

品質の善し悪しは形になって現れます。購入するときの目安にしましょう。
陳列されている薄く長方形に切った(サク取り)マグロのパック入りを選ぶときには、
表面の筋目の形がポイントです。

筋目が横に並行に入っているものが理想的で、次が斜めに入っているもの。
筋目が不揃いで、曲線や丸くなっているものはサク取りの部位がよくありません。
また、筋目の間隔が広いモノほど魚体が大きく、頭に近い部分なので脂の乗りが良好です。

味に関係はしませんが、見栄えの点で気になる、赤褐色の斑点が出ているものがありますが、
マグロを釣り上げたときに船体にぶつけたりするとついてしまう、
筋肉にできるキズの一部で「シミ」と呼ばれています。

マグロは素手で触ると、その部分から腐り始めるほどデリケートで
漁師も釣り上げるときには神経を使っています。

●マグロの病気

キズやシミ以外に、マグロには「ヤマイ」と総称して呼ばれる特有の病気があります。
寄生虫がつく「ホシ」や赤い粒が全身に出る「アズキ」などがあります。
ハマチやカンパチの二級品「マガリ」などは半額以下の捨て値で取り引きされますが、
マグロの場合、誤ってセリ落とされると「事故扱い」になる救済措置があり、市場には出回りません

●延縄式漁法(はえなわ)

50m間隔で釣り糸を垂らした縄を海上に張っていく漁法です。
約100km間に及ぶ距離に縄を張ります。
針にかかったマグロは暴れるために肉質が崩れる「身割れ」という現象がおきます。
これにより鮮度が落ちるので針にかかれば出来るだけ早く船に引き上げたいのですが、
最初に釣り上げたマグロと最後に釣り上げたマグロでは10時間もの差が出るので、
同じ船で釣り上げられるマグロでも旨さが違ってきます。

●巻き網漁法

二隻の船が網を引く方法です。
ただし、網の中で下の部分にいるマグロは魚の重みでキズがつきやすくなります。

●遠洋マグロ漁業

漁獲後すぐにマイナス55〜60度の超低温冷蔵庫で急速冷凍するため、
鮮度はまったく失なわれません。
新鮮さを象徴するような解凍後に死後硬直が起きることもあります。


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